紅葉を撮るとき、”どのレンズを使うか(焦点距離の選び方)“で仕上がりは大きく変わります。
広角でスケール感を出すのか、標準で見たままを残すのか、望遠で圧縮効果やボケを楽しむのか。
ただ、レンズの種類は数え切れないほどあります。そこでこの記事では、紅葉撮影に特に相性の良い10本を厳選しました。
もっと多くの選択肢はありますが、初中級者でも選びやすいように価格帯・用途を考慮して絞り込んでいます!
実際に筆者が使ったことあるものばかりです。リアルな使用感や思ったことをお伝えします!
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広角レンズ(16〜24mm前後)|紅葉をダイナミックに切り取る



紅葉のトンネル、リフレクションや境内全体をダイナミックに写したいなら広角レンズが活躍します。
16mm前後の広角なら、頭上の紅葉を含めて包み込むような構図が可能。観光地で混雑していても、被写体との距離を工夫すれば「人を小さく入れ、紅葉のスケール感を強調」できます。
また、広角特有のパースを活かせば、参道の奥行きや紅葉の並木道がよりドラマチックに。目で見た以上の臨場感を写真で表現できるのがメリットです。
Tamron 17-28mm F2.8 Di lll RXD|コスパ重視の広角ズーム
軽量・コンパクトながら開放F2.8で明るく撮れる、旅行や散策に最適な広角ズーム。
超広角を始めるにあたって、特に使いやすい焦点域をカバーしています。神社仏閣と紅葉を一緒に撮るなら20mmでも狭いと思うシーンが多いため、「17mmまで使えてよかった」と思おうことも多かったです。
価格も比較的手頃で、初めて紅葉撮影に挑戦する方にもおすすめです。中古なら6〜7万円で購入可能。
ソニーEマウント専用ですが、他メーカー純正にも似た焦点距離の広角ズームがあります。
(望遠端が28mmまでなので、スナップ用途では35mmまで欲しいと思う場面もあり。)
焦点距離 | 17-28mm |
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開放F値 | F2.8 |
重量 | 420g |
サイズ | φ73×99mm |
フィルター径 | 67mm |
最短撮影距離 | 0.19m |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2019年 |
Sony FE 20mm F1.8 G|紅葉と夜景に使いやすい広角単焦点
高い描写力と美しいボケが魅力の大口径単焦点。
紅葉の広がりを切り取りつつ、ライトアップでは玉ボケを背景に取り入れて幻想的に表現できます。
小型軽量で取り回しが楽なのも魅力。夜の紅葉リフレクション撮影にもぴったりです。手持ちで夜景x紅葉を綺麗に撮るなら、明るい単焦点を1つ持っておくと便利です。
焦点距離 | 20mm |
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開放F値 | F1.8 |
重量 | 373g |
サイズ | φ73.5×84.7mm |
フィルター径 | 67mm |
最短撮影距離 | 0.19m |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2020年 |
Sony FE 16-35mm GM II|究極の広角ズーム(上級者向け)
プロ・上級者に人気の大三元ズーム。解像力・発色・周辺描写すべてがトップクラスで、紅葉風景を隅々までシャープに写せます。
私が現在も使用している一軍レンズで、比較的軽く取り回しも良好。風景はこれ1本で完結するレベルです。
特に暗部の色のりや解像感は他のレンズとは比較にならず、夜景やマジックアワーなど低照度の紅葉撮影でも最高の仕上がりに。
(デメリットは価格が高いことと、超広角好きなら12-24mmや14mm単焦点に惹かれる点)
焦点距離 | 16-35mm |
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開放F値 | F2.8 |
重量 | 547g |
サイズ | φ87.8×111.5mm |
フィルター径 | 82mm |
最短撮影距離 | 0.22m |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2023年 |
標準レンズ(35〜50mm前後)|自然な視点で紅葉を残す




標準ズームは紅葉撮影において最もバランスの良い万能レンズ。
24mmの広角寄りでは庭園全体や紅葉の海を自然な目線で再現でき、70mm寄りでは塔や建物を紅葉で額縁のように切り取る構図が可能。
1本で「全景 → 切り取り」まで対応できるので、移動の多い紅葉散策ではレンズ交換の手間を省けるのが大きな強み。特に初めての紅葉撮影で「どのレンズを持っていけばいいかわからない」と迷う人には安心の一本です。
Tamron 28-75mm F2.8 Di III VXD G2|万能標準ズーム
各社マウントに対応する定番ズーム。価格と性能のバランスが良く、紅葉散策に万能。
AFは速くストレスフリーで、解像感も十分。コスパ最強の標準ズームレンズです。普通の撮影において、このレンズで困るシーンはほぼありません。
私自身、キットレンズからこちらに乗り換えた経験があり、初めてのF2.8通しレンズに超オススメです!
(広角端が28mmだとやや狭く感じることがあります。その場合はSIGMA 24-70mm F2.8 Artや純正24-70mm F2.8がおすすめ)
焦点距離 | 28-75mm |
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開放F値 | F2.8 |
重量 | 540g |
サイズ | φ75.8×117.6mm |
フィルター径 | 67mm |
最短撮影距離 | 0.18m(広角端) |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2021年 |
Sony FE 55mm F1.8 ZA|ポートレート入門の単焦点
ポートレート入門として定番の単焦点。Zeissらしい透明感のある色味が特徴です。
280gと軽量ながら描写力が高く、紅葉ポートレートや紅葉の葉を主役にして背景に玉ボケを作るのに最適。
コンパクトなので他のレンズと併用もしやすく、鞄に忍ばせておくと便利です。
(最短撮影距離が長めなのでテーブルフォトにはやや不向き)
焦点距離 | 55mm |
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開放F値 | F1.8 |
重量 | 281g |
サイズ | φ64.4×70.5mm |
フィルター径 | 49mm |
最短撮影距離 | 0.5m |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2013年 |
Sony FE 24-70mm GM II|高画質な大三元標準ズーム(上級者向け)
ソニー純正の大三元標準ズーム。描写力・AF性能・ボケ表現すべてが高水準。
最短撮影距離が短いため接写もでき、紅葉の葉を大きく写すことも可能です。紅葉の全景からボケを活かした紅葉の切り取り、ポートレートまで幅広く活躍してくれます。
タムロンやシグマの描写に物足りないと感じた場合はこのレンズで全て解決します。
高画素機との相性も抜群で、プロや上級者にとって一本で多くのシーンに対応できる万能レンズです。
(価格は高いですが、画質を妥協したくない方には最適)
焦点距離 | 24-70mm |
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開放F値 | F2.8 |
重量 | 695g |
サイズ | φ87.8×120mm |
フィルター径 | 82mm |
最短撮影距離 | 0.21m |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2022年 |
望遠レンズ(70〜135mm前後)|圧縮効果とボケで紅葉をドラマチックに



人混みの多い有名スポットでは、望遠レンズが最も頼れる存在。
光明寺の参道など、人を避けながら紅葉だけを切り抜けるのが望遠の真骨頂です。
さらに背景を大きくぼかして被写体を浮かび上がらせるのも得意。遠くの紅葉を前ボケに入れるだけで、肉眼では得られない立体感と奥行きを演出できます。
Tamron 70-180mm F2.8 Di III VXD|軽量望遠ズーム
軽量ながらF2.8通しのコスパ最強望遠ズーム。同クラスの純正レンズの半額以下で入手でき、コスパ抜群。
紅葉を切り取るならF2.8以下の明るさでボケや玉ボケを綺麗に表現可能。携帯性とF2.8によるボケを楽しみたいならこれを買っておいて損はないです。
個人的には200mmと180mmの違いはほとんど気にならず、十分満足できる焦点域です。
手ぶれ補正がありませんが、大体のボディにはボディ内手ブレ補正があるので気になりません。どうしても必要な場合は第二世代のG2レンズを選択しましょう!
焦点距離 | 70-180mm |
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開放F値 | F2.8 |
重量 | 810g |
サイズ | φ81×149mm |
フィルター径 | 67mm |
最短撮影距離 | 0.85m(全域) |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2020年 |
Sony FE 135mm F1.8 GM|紅葉ポートレートの最強単焦点
圧倒的なボケと解像感で、紅葉ポートレートの最強レンズ。ソニー純正レンズの中でも個人的にTOP3に入ります。
最短撮影距離が70cmと短く、被写体を大きく写せるので花や葉のクローズアップにも向きます。背景に光源があれば綺麗な玉ボケになり、幻想的な雰囲気を演出可能。
このレンズで紅葉を切り取ると、今まで撮ったどの写真よりも素晴らしいものが出てきます。
重量は950gと重めですが、このレンズでしか撮れない写真があるためデメリットには感じにくいです。
(手ぶれ補正は非搭載ですが、ボディ内補正で十分カバー可能)
焦点距離 | 135mm |
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開放F値 | F1.8 |
重量 | 950g |
サイズ | φ89.5×127mm |
フィルター径 | 82mm |
最短撮影距離 | 0.7m |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2019年 |
Sony FE 70-200mm F2.8 GM II|万能望遠ズーム(上級者向け)
ポートレート、接写、風景の切り取りまで万能に対応できる大三元望遠ズーム。
描写力・AF・ボケ表現いずれも高水準で、紅葉撮影において一本でほぼ全てをカバー可能です。圧縮効果を利用したワンランク上の紅葉ポートレートや紅葉の切り取りをするなら最高の1本になるはずです。
インナーズーム構造のためズーミングしても重心が変わらず、マウント側に重さが集中しているので取り回しも快適。想像以上に軽く感じられ、長時間の撮影でも扱いやすいのが魅力です
価格は高いですが、紅葉撮影を含め様々なシーンで長く使える投資レンズです。
焦点距離 | 70-200mm |
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開放F値 | F2.8 |
重量 | 1045g(三脚座なし) |
サイズ | φ88×200mm |
フィルター径 | 77mm |
最短撮影距離 | 0.4m(広角端) |
手ぶれ補正 | 光学式あり |
発売年 | 2021年 |
マクロレンズ|紅葉のディテールを切り取る
葉脈や水滴をクローズアップして撮りたい方にはマクロレンズがおすすめです。
CPLフィルターと組み合わせると反射が抑えられ、色彩がより鮮やかに浮かび上がります。
SIGMA 105mm F2.8 DG DN Macro|中望遠マクロ
中望遠の105mmマクロ。被写体との距離を取りやすく、背景を大きくぼかせるのが特徴。
紅葉の細部を切り取り、立体感ある写真を撮るのに適しています。
マクロレンズ特有でフォーカスはやや遅めですが、通常の撮影には支障のないレベルです。
やや長めの鏡筒で、設計も古めなためボディとのバランスは少し悪い点があります。
個人的には90mmマクロよりも105mmの方が圧縮効果が強く、ワーキングディスタンスも広いため、撮影範囲の自由度が増す印象です。
焦点距離 | 105mm |
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開放F値 | F2.8 |
重量 | 715g |
サイズ | φ74×133.6mm |
フィルター径 | 62mm |
最短撮影距離 | 0.295m |
手ぶれ補正 | なし |
発売年 | 2020年 |
紅葉撮影に最適なレンズを選ぼう
今回は広角・標準・望遠・マクロから紅葉撮影におすすめのレンズ10選を紹介しました。
コスパ重視のTamronやSIGMAから、表現力に優れたSony純正、さらに究極を求めるGMシリーズまで幅広くカバーしています。
予算や撮影スタイルに合わせて、自分に合う1本を見つけてみてください。
さらに色彩を鮮やかにしたい方は、CPLフィルターの解説記事も参考にどうぞ。
紅葉ライトアップを撮るときのレンズ選び
紅葉の醍醐味のひとつがライトアップです。
暗所撮影ならではの注意点を押さえつつ、目的に合わせてレンズを選ぶと失敗が少なくなります。
▪️広角:16〜24mmの広角域は、紅葉全体をダイナミックに収めたいときに最適。
池や川のリフレクションを取り入れると、ライトアップ紅葉がより幻想的に表現できます。
▪️望遠:135〜200mmの望遠域なら、人混みを避けつつ紅葉の一部を切り取ることが可能。
圧縮効果で背景の光源が大きくボケ、玉ボケが美しい夜景紅葉が撮れます。
▪️単焦点:ズームに比べてISO感度を抑えられ、シャッタースピードを確保できるためブレ防止に効果的です。
紅葉ポートレートにも応用でき、背景の光を活かした幻想的な写真が撮れます。
🍁紅葉関連の記事はこちら
撮影前に設定や機材を整えておきたい方は関連記事もあわせてどうぞ!
まとめ|紅葉撮影に最適なレンズの選び方
- 広角=スケール感、標準=自然な目線、望遠=圧縮とボケ
- 単焦点=表現力、ズーム=万能さ
- マクロ=応用で差別化
今回は特におすすめの10本を厳選して紹介しました。
予算や撮影スタイルに合わせて、自分のカメラに合う1本を選んでください。