初心者向け

動きを思い通りに!シャッタースピードで表現を変える撮影入門

写真を撮った時にこういう悩みはありませんか?

・「被写体がブレる」「止めたいのに止まらない」
・「滝を流れるように」「車のライトを光跡に」と思っても、思い通りにいかない

その違いを決めているのが シャッタースピード
この記事では、シャッタースピードの基礎から「止める/流す」の使い分け、シーン別の設定方法までを解説します。

読み終えれば、あなたもシャッタースピードを思い通りに操り、写真表現の幅を広げられるようになります!

シャッタースピードとは?

シャッタースピードは、カメラが1枚の写真にどれだけの時間を記録するかを決める要素です。

例えば

▪️速いシャッタースピード(例:1/1000秒)
一瞬しか光を記録しないため、その短い瞬間の形だけが残り、動いている 被写体も ピタッとブレずに写せます

▪️遅いシャッタースピード(例:1秒)
長い時間の光を記録するため、その間に動いた軌跡がすべて写り込み、流れるような写真になります。

にゃんころ

短ければ “瞬間を止める”長ければ “時間の流れを写す”。 これがシャッタースピードによる表現の基本です。

まずは Sモード(シャッター優先)で撮ろう

シャッタースピードの違いを体感するには、“Sモード(シャッター優先)”を使うのがおすすめです。

▪️Pモード(プログラムオート)
シャッタースピードも絞りもカメラ任せ。基本的に自由に指定できません。

▪️Sモード(シャッター優先モード)
自分でシャッタースピードを決め、カメラが自動で絞りやISOを調整して明るさを合わせます。
 → 初心者でも「止める/流す」の表現を簡単に試せるモードです。

操作方法
  1. モードダイヤルを S/Tv に合わせる
  2. ダイヤルでシャッタースピード値を変更(1/1000、1/30、1秒など)
  3. ISOはオートにすると失敗が少ない(ただし上限を設定しておくとノイズ対策になる)

シャッタースピードで変わる2つの表現

シャッタースピードの基本がわかったところで、次に写真への表現がどう変化するのかを作例とともにみていきましょう!

動きを止める

速いシャッタースピードを使うと、被写体を ピタッとブレずに写す ことができます。
ただし、どのくらい速くすればよいかは「動体ブレ(被写体ブレ)」を基準に考えます。

シャッタースピードの目安

▪️子どもの走り:1/500秒前後

▪️人物のジャンプ:1/1000秒

▪️スポーツ:1/1000〜1/2000秒

▪️野鳥の飛翔:1/2000〜1/4000秒

ポイントは「止めたい動きの速さ」に合わせて設定することです!

<作例>

野鳥の飛翔を1/4000秒で撮影しています。これより遅いと被写体ブレを起こします。
同じ被写体ですが、こちらは1/800秒程度で撮影しています。動いていないシーンだったので、この程度のシャッタースピードで被写体ブレを抑えられます。それによってISOも下げられます。

動きを流す

遅いシャッタースピードを使うと、動きがブレとして写り、水や光の軌跡を表現できます。

シャッタースピードの目安

▪️滝や渓流:1/2秒〜2秒(糸のように滑らかに)

▪️夜の車のライト:数秒以上(三脚必須で光跡を描ける)

NDフィルターを併用すれば、昼間でも遅いシャッタースピードで表現可能です。

<作例>

三脚に置いてシャッタースピード2秒で撮影しています。2秒間の水の動きが映像として残り、シルクのような表現に。

シーン別おすすめシャッタースピード

同じ被写体でも「どんな表現をしたいか」で設定が変わります。

シャッタースピードの目安

▪️滝・川:1/1000秒で水飛沫を止める/1秒で滑らかに流す

▪️:1/2000秒で止める/1/30秒で流し撮り

▪️人物:1/250秒で日常動作を止める/0.5秒で残像を作る

シャッタースピードを決めるときの注意点(2種類のブレ)

ブレには2種類あり、異なるアプローチで対処する必要があります。

  1. 手ブレ
     自分の手の揺れで写真全体がブレる現象。
     目安は「1/焦点距離」(例:50mmなら約1/50秒)。それ以下は三脚や手ブレ補正が必須。
  2. 被写体ブレ
     被写体自体の動きでブレる現象。
     動きが速い被写体ほど速いシャッタースピードが必要。
     例:スポーツは1/1000秒以上、野鳥は1/2000秒以上。
にゃんころ

どちらのブレを優先して抑えるかを決めるのがコツです!

Sモードで起こる “自動調整” を知っておく

Sモードでシャッタースピードを変えると、カメラは自動的に絞りやISOを調整して明るさを一定に保ちます。
その結果、意図しない仕上がりになることがあります。

▪️速くすると → カメラが絞りを開く or ISOを上げる
 → 背景が意図せずボケたり、ノイズが増える

▪️遅くすると → カメラが絞りを絞る or ISOが下げる
 → 意図せず全体にピントが合ってしまうことも。

「止める/流す」は達成できても、雰囲気が想定と違うのはこのため。
仕上がりを完全にコントロールしたいならMモード(マニュアル)に挑戦してみましょう。

まとめ

まとめ

✅シャッタースピードは「時間を切り取る」要素

短い=瞬間を止める長い=流れを写す

✅まずは Sモード で練習

✅ブレには「手ブレ」「被写体ブレ」がある

✅思い通りにならなければ Mモード に挑戦

今日から「人物を止める」「水を流す」などを撮り比べてみましょう!
体感しながら覚えることで、次のステップである マニュアルモード に自然と進めますよ。

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