花を撮っても、
思ったように綺麗に写らない…。
背景がごちゃごちゃして主役が目立たない。
背景があまりボケなくて花の存在感が薄れる。
そんな経験はありませんか?
実は、花の写真がうまく決まらない大きな原因のひとつが「レンズ選び」です。
花びらの質感を寄って写すか、背景を大きくぼかして主役を際立たせるか。スタイルに合ったレンズを選ぶことで、写真はグッと印象的になります。
この記事では、各メーカーの代表的な花撮影向けレンズをタイプ別に紹介します。
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マクロレンズおすすめ
マクロレンズは花のしべや花びらの細部まで写し込めるのが魅力です。水滴や花粉といったディテールを強調したい人にぴったり。


TAMRON (タムロン) 90mm F2.8 Di III MACRO VXD/Model F072
「伝説の“タムキュー”がミラーレスに最適化して復活」
マクロレンズといえば“タムキュー”。長年花や昆虫の撮影者に支持されてきた名玉が、ミラーレス世代向けに生まれ変わったのがこの90mm F2.8 Macro (F072) です。
開放からシャープな描写で花びらの筋や花粉までくっきりと写し出しつつ、背景は12枚羽根の円形絞りでふんわり柔らかくボケてくれます。しかも90mmという焦点距離は、被写体に寄りやすく、扱いやすいバランス。初心者でも「寄っても失敗しにくい」安定感が魅力です。
さらに防塵防滴構造で屋外でも安心、オートフォーカスも静かでスムーズ。純正マクロよりも価格が手に取りやすく、「本格的なマクロを始めたい」と思ったときの最初の一本にぴったりです。
項目 | スペック(Eマウント) |
---|---|
焦点距離 | 90mm |
開放F値 | F2.8 |
重量 | 630g |
サイズ | φ79.2mm × 126.5mm |
フィルター径 | 67mm |
最短撮影距離 | 0.23m |
最大撮影倍率 | 1:1(等倍) |
手ぶれ補正 | なし(ボディ側対応) |
▪️初めてマクロレンズに挑戦したい人
▪️コスパよく“名玉の描写”を体験したい人
▪️花や小さな世界を寄って撮る楽しさを味わいたい人
Sigma 105mm F2.8 DG DN Macro Art
「圧倒的な解像力。距離を取りながら花をシャープに描く」
シグマのArtラインらしく、とにかく解像力にこだわったのが105mm Macro Art。花びらの繊細な筋や花粉まで克明に描き出し、「もっとシャープに撮りたい」という欲求に応えてくれます。
90mmマクロよりも焦点距離が少し長いため、花との距離を取りやすく、撮影時に影を落としにくいのも大きなメリット。昆虫がとまった花を驚かせずに撮れるのも105mmならではの強みです。
しかもSony純正90mm Macroよりも価格は手頃で、始めやすいのも魅力。AF/MF切り替えやフォーカスリミッターといった操作系も充実しており、実用性も抜群です。
▪️花の細部を圧倒的な解像力で切り取りたい人
▪️花に影を落とさず、少し離れて自然に撮りたい人
▪️純正よりも価格を抑えてマクロを始めたいソニーユーザー
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 105mm |
開放F値 | F2.8 |
重量 | 710g |
サイズ | φ74mm × 135mm |
フィルター径 | 62mm |
最短撮影距離 | 0.295m |
最大撮影倍率 | 1:1(等倍) |
手ぶれ補正 | なし |
Nikon Z MC 105mm f/2.8 VR S
「純正の安心感。手ぶれ補正付きで失敗しにくいマクロ」
ニコンZシリーズを使うならまず選びたいのが、このZ MC 105mm f/2.8 VR S。純正ならではの光学設計で、開放から隅々までシャープな描写が得られます。花びらの質感や花粉の粒まで、繊細に写し取れるのはさすが。
さらにこのレンズには手ぶれ補正(VR)が搭載されており、マクロ撮影でありがちな「ブレて失敗」をしっかりカバー。三脚なしでも安心して寄れるのは大きなメリットです。105mmという少し長めの焦点距離のおかげで、花に影を落としにくく、昆虫がとまった花も自然な距離感で狙えます。
静粛性の高いAF、防塵防滴構造といった信頼性も兼ね備えており、「安定して結果を残せるマクロ」を探すならこの一本で間違いありません。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 105mm |
開放F値 | F2.8 |
重量 | 630g |
サイズ | φ85mm × 140mm |
フィルター径 | 62mm |
最短撮影距離 | 0.29m |
最大撮影倍率 | 1:1(等倍) |
手ぶれ補正 | あり(VR) |
▪️花のディテールを隅々までシャープに写したい人
▪️三脚なしでも手持ちで安心してマクロ撮影したい人
▪️純正の安心感で長く使える一本を探しているZユーザー
Olympus M.Zuiko 60mm Macro
「軽さが最大の武器。散策に持ち出せるマクロ」
「マクロレンズは重くて持ち出しにくい」――そんな悩みを解決してくれるのが、このM.Zuiko 60mm F2.8 Macro。わずか185gと非常に軽量で、山歩きや公園散策でも気軽に持ち歩けるのが最大の魅力です。
コンパクトながら1:1等倍のマクロ撮影に対応しており、花びらのディテールや水滴のきらめきまでしっかり描き出します。全長が変わらないインナーフォーカス設計で扱いやすく、フォーカスリミッターも搭載。シーンに応じて素早くピント域を切り替えられるので、寄りから引きまでテンポよく撮影できます。
価格も手頃で、マイクロフォーサーズで花のマクロ撮影を始めたい人にとって、これ以上ない入門レンズです。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 60mm(120mm相当) |
開放F値 | F2.8 |
重量 | 185g |
サイズ | φ56mm × 82mm |
フィルター径 | 46mm |
最短撮影距離 | 0.19m |
最大撮影倍率 | 1:1(等倍) |
手ぶれ補正 | なし |
▪️コスパ重視でマクロを始めたいMFTユーザー
▪️軽くて持ち歩きやすいマクロレンズが欲しい人
▪️散策や旅行で「気軽に持ち歩ける一本」を探している人
中望遠単焦点おすすめ
背景を大きくぼかし、花をふわっと浮かび上がらせたいなら中望遠単焦点。特に135mmは花撮影との相性が抜群です。


SONY FE 135mm F1.8 GM
「花撮影の王者。圧倒的な立体感と美しい玉ボケ」
数ある中望遠単焦点の中で、花撮影の究極と呼ばれるのが FE 135mm F1.8 GM。開放から驚くほどシャープで、背景は大きくとろけるようにボケ、花を主役として引き立てます。
特徴的なのは、135mmとしては短めの最短撮影距離(約70cm)。他の135mm単焦点では近づけないシーンでも、このレンズならしっかり寄って撮影できます。花を大きく写したい場面でも「中望遠の立体感」と「寄れる利便性」を同時に楽しめるのは大きなアドバンテージです。
G Masterならではの色乗りと描写力で、花をアート作品のように仕上げたい人にとってまさに王者の一本です。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 135mm |
開放F値 | F1.8 |
重量 | 950g |
サイズ | φ89.5mm × 127mm |
フィルター径 | 82mm |
最短撮影距離 | 0.7m |
最大撮影倍率 | 0.25倍 |
手ぶれ補正 | なし |
▪️背景を整理して花を主役として際立たせたい人
▪️解像感とボケの両立を求める花撮影好き
▪️花をアート作品として撮りたいソニーユーザー
Nikon NIKKOR Z 135mm F1.8 S Plena
「芸術的な玉ボケ。花を幻想の世界へ」
Plena(プレナ)は、ただの135mmではありません。花の背後にある木漏れ日や点光源を、にじむような口径食のない美しい玉ボケへと変換し、被写体をまるで夢の中にいるかのように浮かび上がらせます。
開放から隅々まで高い解像力を保ちながら、ボケは極めて滑らか。花びらのディテールをしっかり写しつつ、背景は一枚の絵画のように柔らかく溶けていきます。他の135mm単焦点が「立体感重視」なのに対し、Plenaは「ボケそのものを表現するためのレンズ」と言えるでしょう。
価格もサイズもハイエンドですが、その見返りとして得られる花写真は唯一無二。芸術的に花を撮りたい人にとって、究極の選択肢です。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 135mm |
開放F値 | F1.8 |
重量 | 995g |
サイズ | φ98mm × 139.5mm |
フィルター径 | 82mm |
最短撮影距離 | 0.82m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 |
手ぶれ補正 | なし |
▪️花をアート作品のように仕上げたい人
▪️幻想的な玉ボケを花写真に取り入れたい人
▪️他のレンズでは得られない「特別な表現」を求めるZユーザー
Canon EF 135mm F2 L USM
「伝説の名玉。軽快に扱えるクラシック135mm」
登場から20年以上経った今でも「名玉」と呼ばれ続けるのが、Canon EF 135mm F2 L USM。シンプルな光学設計ながら、開放からシャープで、背景は柔らかく自然にボケてくれます。
最新の135mm単焦点に比べるとコンパクトかつ軽量で、持ち歩きやすいのも魅力。大きく重い現代のレンズが多い中、この軽快さは花撮影の現場でもアドバンテージになります。
さらに、EFレンズはマウントアダプターを使えばRFボディでも使用可能。最新のRF純正レンズに比べて価格は抑えめで、中古市場でも比較的手に入りやすいのもポイントです。「まずは名玉を試してみたい」という人にとって理想の一本です。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 135mm |
開放F値 | F2 |
重量 | 750g |
サイズ | φ82.5mm × 112mm |
フィルター径 | 72mm |
最短撮影距離 | 0.9m |
最大撮影倍率 | 0.19倍 |
手ぶれ補正 | なし |
▪️RFユーザーだけど手頃に名玉を使ってみたい人
▪️軽快に扱える中望遠単焦点が欲しい人
▪️コスパ良く花撮影用レンズを探しているキヤノンユーザー
Fujifilm XF 90mm F2 R LM WR
「フジの神レンズ。APS-Cで花を極上に撮る」
XFレンズの中でも“神レンズ”と称されるのが、この90mm F2 R LM WR。フルサイズ換算で約137mm相当の中望遠画角と、開放F2の明るさを備え、APS-Cとは思えないほど大きく美しいボケを描きます。
描写は開放から圧倒的にシャープ。花びらの繊細なディテールを残しつつ、背景は驚くほどなめらかに溶けていきます。花がまるで浮かび上がるような立体感は、APS-C機で撮ったとは思えない仕上がり。
それでいて約540gと軽快で、防塵防滴構造で屋外撮影も安心。フジユーザーにとって「一本持っていれば間違いない」と言われる所以は、圧倒的な写りと扱いやすさにあります。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 90mm(137mm相当) |
開放F値 | F2 |
重量 | 540g |
サイズ | φ75mm × 105mm |
フィルター径 | 62mm |
最短撮影距離 | 0.6m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 |
手ぶれ補正 | なし(ボディ側対応) |
▪️APS-Cでもフルサイズ級のボケを楽しみたい人
▪️花を極上の解像とボケで撮りたいFUJIユーザー
▪️“神レンズ”と呼ばれる一本を体験したい人
【筆者の撮影スタイル】
花撮影では135mm単焦点をメインに使っています。理由は、背景を整理しやすく被写体を立体的に浮かび上がらせやすいから。特にSonyの135mm GMは色のりとボケ味が素晴らしく、花を主役として際立たせたいときによく使っています。
ただ、人によっては「花のしべを寄って撮りたい」ならマクロが合いますし、「散策や旅先で花畑全体を撮りたい」ならズームの方が便利。スタイルに合わせてレンズを選ぶことが大切です。
望遠レンズで花撮影を楽しむ
花畑や群生を広く撮りたいなら望遠ズームレンズ。焦点距離の自由度があり、一本でさまざまなシーンに対応できます。
望遠レンズでの花撮影 は背景を大きくぼかせるため、主役を浮かび上がらせやすいのもメリットです。


Sony FE 70-200mm F2.8 GM II
「万能の大三元。他より軽く、花畑から一輪まで1本でカバー」
望遠ズームの最高峰として、多くのソニーユーザーに支持されるのが FE 70-200mm F2.8 GM II。II型になって光学性能がさらに進化しただけでなく、他のメーカーの70-200mm F2.8よりも圧倒的に軽量。長時間の撮影や持ち歩きも苦になりません。
このレンズの強みは、花撮影における万能さ。200mm側では花畑を背景ごと圧縮して迫力ある構図に、70mm側では群生の雰囲気を残した撮影が可能。中望遠域では一輪の花を大きく写し、背景をとろけさせることもできます。
さらに開放F2.8の明るさと高速・高精度なAFにより、風で揺れる花も瞬時に捉えることが可能。単焦点に迫る描写力と、ズームならではの自由度を軽快に持ち歩けるのが、このレンズ最大の魅力です。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 70–200mm |
開放F値 | F2.8 |
重量 | 1045g |
サイズ | φ88mm × 200mm |
フィルター径 | 77mm |
最短撮影距離 | 0.4m~0.82m |
最大撮影倍率 | 0.3倍 |
手ぶれ補正 | あり |
▪️単焦点に匹敵する描写力とズームの自由度を両立したい人
▪️花畑から一輪のアップまで幅広く撮りたい人
▪️70-200mm F2.8を軽快に使いたいソニーユーザー
Sony FE 70-200mm F4 G II
「軽量ズームでハーフマクロ。テレコンで等倍にも対応」
FE 70-200mm F4 G II は、ズームレンズでありながら ハーフマクロ(最大0.5倍)に対応。さらにテレコンを組み合わせれば等倍マクロまで可能になり、一輪の花を大きく迫力ある画で切り取れます。
F4通しの明るさで背景をきれいにぼかすこともでき、70mm側では広めに花畑を写し込み、200mm側では圧縮効果で背景を整理。一本で「引き」「寄り」「ボケ表現」まで自在に使える万能さが、このレンズの魅力です。
しかも重量はF2.8版より大幅に軽く、旅行や散策でも気軽に持ち歩けます。AFは高速・正確で、防塵防滴設計も備えているため、アウトドアの花撮影でも安心。「軽快に持ち歩ける万能ズーム」を探している人にとって理想的な選択肢です。
項目 | スペック |
---|---|
焦点距離 | 70–200mm |
開放F値 | F4 |
重量 | 794g |
サイズ | φ82mm × 149mm |
フィルター径 | 72mm |
最短撮影距離 | 0.26m(W)/0.42m(T) |
最大撮影倍率 | 0.5倍(等倍:TC併用) |
手ぶれ補正 | あり |
▪️軽量で旅行や散策に気軽に持ち出せる望遠ズームを探している人
▪️一本で花畑からクローズアップまで対応したい人
▪️ボケを活かした花撮影をしたいが、マクロも楽しみたい人
高額商品はレンタルも検討しよう
花撮影におすすめのレンズを紹介しましたが、中には高額でなかなか手が出しづらいモデルもあります。そんなときは レンタルサービス を利用するのがおすすめです。
とくに Goopass は月額制のサブスク型レンタルで、使いたいときだけレンズを借りられます。旅行や紅葉シーズンなど限られた期間だけ使いたい方には最適なサービスです。

まとめ
花の撮影に適したレンズは、大きく分けて マクロレンズ・中望遠単焦点・望遠ズームレンズ の3タイプ。
✅花のディテールを撮るなら マクロ
✅背景を整理して主役を際立たせるなら 中望遠単焦点
✅花畑や群生を広く切り取るなら 望遠レンズでの花撮影
私自身は135mm単焦点を愛用することが多いですが、花を寄って撮るならマクロ、軽快に散策したいなら望遠ズーム、と人によって合う一本は違います。ぜひ自分のスタイルに合わせて選んでみてください。