朝焼けや夕焼け(マジックアワー)は、誰でも一度は撮ってみたい憧れの時間帯です。
しかし実際に写真にすると
「水面に朝焼け空が映らない」
「地上が真っ暗になる」
など、思い通りにいかないことが多いのではないでしょうか。
これらを解決して、目で見た以上にドラマチックな写真に仕上げるのがフィルターです。
今回は筆者も実際に使用しているフィルターを中心に、マジックアワー撮影で役立つ3種類(CPL・GND・ND)の活用法を紹介します。
マジックアワーでフィルターが必要な理由
朝焼け・夕焼けという環境下や撮影スポットによっては次のような問題が発生してしまいます。
▪️朝焼けや夕焼けは空が明るすぎて、地上が真っ暗になりやすい
▪️水面が綺麗に反射しない
▪️光量が多い時間帯は長秒露光ができない
こうした問題は、フィルターを使うことで簡単に解決できます。
特に空が明るすぎて地上が真っ黒になるのは、マジックアワー撮影において1番の課題です!
フィルターを使った作例
NDフィルターやGNDフィルターを使うと、こんな写真が撮れるようになります。


▪️CPLフィルター
水面の反射を強く(弱く)できる
▪️GNDフィルター
空と地上の明るさを均等にし、白飛び・黒潰れを回避できる
▪️NDフィルター
水面をフラットにしたり、雲の流れを幻想的に表現できる
フィルターを駆使すると、幻想的な風景を撮ることができます!
GNDフィルター|マジックアワー撮影の必需品
空と地上の明暗差が大きいマジックアワー撮影では、GNDフィルターは必須アイテムになります。これを使うと
▪️空と地上の明暗差を整えて、自然で立体的に仕上げられる
▪️「空だけ真っ白」「地上が真っ暗」という失敗を防げる
▪️水平線や山並みを入れた構図で真価を発揮
詳しくはこちらの記事で解説しています。
<作例>

CPLフィルター|色と反射のコントロール
必須アイテムではありませんが、リフレクションを構図に入れたシーンでは効果を発揮します。
▪️水面や建物の反射を抑え、空の色を鮮やかに引き出す
▪️湖や川沿いの朝焼け・夕焼けでは必須級
▪️都市部の夕焼けでもガラスや金属の映り込みを軽減
CPLの詳細はこちらの記事で解説しています。
<作例>

NDフィルター|ワンランク上の表現を目指すなら
マジックアワーに必須のアイテムではないものの、長秒露光を駆使したワンランク上の風景写真が撮れるようになります。
▪️マジックアワー撮影に必須ではない
▪️ただしNDを使うと表現の幅が一気に広がる
→ 波や雲を滑らかな質感に
▪️標準的な撮影に慣れてきた人が「次の一歩」として挑戦すべきアイテム
NDフィルターを用いた長秒露光xマジックアワーの撮影方法について、こちらの記事で詳しく解説しています。
<作例>

筆者が愛用しているフィルターシステム
筆者は H&Yのマグネット式フィルターシステム を使っています。
マグネット式で一瞬で着脱できるので、刻一刻と変わる朝焼けや夕焼けに対応可能。CPL・GNDに加え、NDも組み合わせて使いやすいのが特徴です。
いろんな種類のフィルターがあるため選択に悩みますが、「これを選べば間違いなし」という商品をご紹介します。
100mm K-Series フィルターホルダー Mark II
GNDフィルターは直接レンズに付けられないため、専用のホルダーが必要です。
ドロップイン式のCPLも付属しているため、別途GNDフィルター(必要に応じてNDも)を購入すればOKです。
GNDフィルター
用途によって、選ぶフィルターが異なります。
▪️水平線付近の太陽の明るさを抑えたい⇨リバースGND
▪️空の明るさを抑えたい(水平線以外)⇨ソフトGNDもしくはミディアムGND
NDフィルター
表現方法によって、選ぶべきND濃度が異なります。
詳しくはこちらの記事で解説しています⇨シーン別の濃度の選び方
おすすめはND1000です。雲の流れや、水面をフラットにするには30秒以上の露光時間が必要になります。
ND8も追加すると、さらに長時間露光が可能になり、雲にダイナミックな動きをつけることができます。
マジックアワー撮影をもっと深く知る
マジックアワーの撮影はフィルター以外にも、レンズ選びや撮影スポットの工夫によって表現の幅が広がります。
まとめ
朝焼け・夕焼けの撮影をより美しくするにはフィルターが欠かせません。
✅GNDは必須(空と地上の明暗差を整える)
✅CPLはあった方が良い(反射を抑えて色を濃くする)
✅NDはオプション(表現をワンランク上げる)
この3つを揃えれば、朝焼けや夕焼けの魅力を存分に引き出せます。