写真・撮影テクニック

CPLフィルター入門|空・水・葉を鮮やかに撮る基本

「青空をもっと濃く写したい」「紅葉を鮮やかに見せたい」「水面やガラスの反射を消したい」──そんなときに活躍するのが CPLフィルター です。

この記事ではCPLフィルターを使うとどんな変化があるのか、初心者にもわかりやすく解説します。

効果が出やすいシーン、注意点、そして活用のコツまで紹介するので、読めば
「CPLって何?」から「今度の紅葉で試してみたい!」に変わりますよ。

1. CPLフィルターとは?

CPLとは円偏光フィルター(Circular Polarizing Filter)と呼ばれるもので、光の反射を
コントロールするフィルターです。

葉っぱのテカリを除去し本来の色味を取り戻したり、反射を抑えてガラスが透けて見えるようになります。

レンズの前にねじ込んで装着し、手前の枠を回転させることで効き具合を調整できます。

2. CPLの効果が発揮しやすいシーン

光の反射をコントロールするCPLを使うと、次のような効果を得られます。

▪️青空を濃く写せる
⇨白っぽい空が深い青に

▪️水面やガラスの反射を除去できる
⇨ 水中の魚が反射で見やすくなったり、ガラス内が透けて見えるようになります。

CPLがなかったら、水中の鯉や草が見えず、地上の草木が反射して映り込んでしまいます。

▪️紅葉や葉っぱを鮮やかに写せる
⇨ 反射を抑えて本来の色が出る

Before imageAfter image

▪️リフレクションを強調できる
⇨ 水面の映り込みをはっきり写せる

にゃんころ

桜やコスモスではCPLの効果は控えめ。むしろホワイトミストなどソフト系フィルターが合いますよ!

CPLを使いこなすコツ

枠の ▲マークが上にくると効果が最大になることが多いです(ただし光の角度で変動)

実際はモニターやファインダーを見ながら調整するのが確実!

また、空の色味と反射軽減は以下の点も意識してみましょう。

▪️太陽光に対して90度方向

対応を背にして90度を意識すると、空の本来の色が出てきます。

▪️反射除去は水平に対して30〜40度の角度

水面に対して30-40度の角度で撮ると、水面の反射が軽減され水中の魚や葉っぱが見えてきます。
また、リフレクションもはっきり見えるようになります。

注意点

CPLを使う上で、いくつか注意点があります。

知っておこう

▪️露出がやや暗くなる(0.5〜1段程度)

▪️広角レンズでは空の一部だけ濃くなり、ムラが出やすい

▪️効果を効かせすぎると不自然になる → 少し効かせるくらいが自然

▪️超広角レンズではケラレが発生する可能性あり。

にゃんころ

ケラレとはフィルター枠が写真に映り込むことをいいます。
薄型のフィルターを使うと改善されますので覚えておきましょう!

応用編:他のフィルターと組み合わせる

CPLだけで十分効果的ですが、NDフィルターGNDフィルターなどと組み合わせることで、写真の表現にさらに深みや独自性を加えることができます。

▪️ND+CPL
⇨滝や川で水を滑らかにしつつ、葉の色を鮮やかに

CPLで緑を鮮やかにし、NDフィルターでシャッタースピードを落とせば、滝の流れを滑らかに描写できます。

▪️GND+CPL
⇨ 空の明暗差を抑えつつ、水面リフレクションを強調

GNDで空の明るさを抑えつつ、CPLでリフレクションを強調しています。

おすすめCPLフィルター

フィルターはレンズの口径(例:77mm、82mmなど)に合わせて選ぶ必要があります。サイズが違ってもステップアップリングで共用できますが、ケラレには注意

▪️入門向け(〜5,000円):Kenko PRO1D CPL

▪️中級向け(1〜2万円):Kenko ZX CPL

▪️上級向け(2万円〜):H&Y CPL、NiSi CPL

まとめ

写真の仕上がりをワンランク引き上げたいなら、CPLフィルターを活用するのがおすすめ!

まとめ

「空・葉・リフレクション」を鮮やかにする必須アイテム

露出低下広角ムラに注意

太陽に対して90度水平30〜40度を意識。

NDやGNDとの組み合わせで表現力はさらに広がる。

✅特に紅葉や水辺撮影で効果が大きいので、秋シーズンに試す価値あり。

一度使えば「なぜもっと早く導入しなかったんだろう」と感じるはずです。ぜひ導入してみましょう!

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