レンズを選ぶとき、スペックや評価、SNSでのおすすめだけを頼りにしていませんか?
買ってから「思ったより寄れない」「ボケ感が足りない」「室内で暗くてブレる…」と後悔する人は少なくありません。
選ぶポイントは
✅どんな写真を撮りたいか
✅どんなシーンで使うことが多いか
という目的ベースの考え方です。用途によって必要な焦点距離もF値も変わります。
この記事では
▪️レンズ選びで失敗しないためのポイント
▪️自分に合ったレンズの選び方
を初心者向けに整理して紹介します。
読み終わる頃には「自分に合うレンズの方向性」がはっきり見えて、安心して候補を絞れるようになります。
レンズ選びで失敗しない4つのポイント
レンズ選びで迷ったときは、4つのポイントをチェックしておきましょう。
①マウント(カメラとの相性)
②焦点距離
③必要な開放F値(どれくらい明るさがいるか)
④単焦点レンズorズームレンズ
順番に見ていきます。
レンズマウントについて
カメラとレンズは、どれでも自由に組み合わせられるわけではありません。
「このカメラには、この種類のレンズしか付けられない」という決まり があり、それを決めているのが「マウント」です。(カメラ本体とレンズをくっつける接合部)


同じメーカーでも世代やセンサーサイズによってマウントが異なるので、レンズを購入する際は注意が必要です。
▪️Canon
一眼レフ:EFマウント
古めのミラーレス:EF-Mマウント
最新のミラーレス:RFマウント
▪️富士フィルム
APS-C:Xマウント
中判:GFマウント
自分の使ってるボディのマウント名は必ずチェックしましょう!
用途に合わせて焦点距離を選ぶ
焦点距離はどれくらい広く撮れるか・どれくらい大きく写せるかを決める要素です。
用途に応じて選ぶのが失敗しないポイントです。
風景
▪️14〜35mm(広角)
空や山、海の広がりを表現したい場合に向いています。
▪️100〜400mm(望遠)
遠くの風景撮影に向いています。
ポートレート
▪️50〜85mm(標準〜中望遠)
背景を整理しやすく、ボケを活かした人物撮影に向いています。
スナップ・旅行
▪️28〜70mm(標準)
見たままに近い自然な画角で扱いやすく、幅広く撮れます。
動物撮影
▪️200〜600mm
近づけない動物には遠くまで撮れる長めの焦点距離がおすすめ。
シーンに合わせてF値を選ぶ
F値はレンズがどれだけ光を取り込めるかを示す数字です。
数字が小さいほど明るく撮影でき、背景がボケやすくなります。
ボケ重視
▪️F1.2〜F1.8
バランス重視
▪️F1.8〜F2.8
日中中心・風景
▪️F4でも十分
ズームレンズと単焦点レンズ
レンズは大きく分けてズームレンズと単焦点レンズの2種類あります。どちらにもメリット・デメリットがあるので、撮りたい写真や使い方に合わせて選ぶことが大切です。
ズームレンズ

焦点距離を変えられるレンズ (24-70mmや18-55mmなど)
▪️1本で幅広い画角に対応できる
▪️旅行や家族撮影など、状況に合わせやすい
▪️開放F値が大きいものが多く、背景ボケは控えめ
▪️構造が複雑なため、大きく重くなる傾向がある
※ズーム幅が大きいほど画質面で妥協が入ることが多い
単焦点レンズ

焦点距離が固定されたレンズ(35mm、50mm、85mm など)
▪️画角を変えたい時は自分が前後に動いてして構図を決める
▪️シンプルな構造で、ズームレンズより圧倒的な高画質
▪️開放F値が小さいものが多く、ボケを活かせる
▪️小型・軽量で持ち出しやすいものが多い
ズームレンズか単焦点レンズどっちがいい?
初心者の方はまずズームレンズがおすすめ。
→ 何を撮りたいかまだ決まっていない、旅行や日常記録に向いている
慣れてきたら単焦点レンズも追加してみましょう。
→ 自分の好きな画角が見えてきたら導入するのがおすすめ
→ 表現力(ボケ・描写)を高めたい人に向いている
シーンや用途に応じて選べば、オーバースペックなレンズを買ってしまうこともなくなります!
用途・シーン別 レンズ選びの目安
ここからは、具体的な撮影シーンごとにおすすめのレンズの目安を整理していきます。
自分の用途に近いところを見てもらえると、だいぶ方向性が見えてくると思います。
風景をメインに撮りたい

焦点距離の目安
広い景色や空の広がりを見せたい場合は、広角側が使いやすいです。
目安としては 24〜35mm の範囲がよく使われます。
遠くの風景であれば70〜200mmあたりが使いやすいです。
F値の目安
風景では、手前から奥までしっかりピントを合わせることが多く、F8〜F11に絞って撮ることが一般的です。
日中の撮影が中心なら、開放F値がF4のレンズでも十分対応できます。
▪️逆光耐性
▪️持ち歩きやすい重さか
スナップ(街歩き・日常の記録)

焦点距離の目安
人の目で見た感覚に近いと言われるのは、だいたい 35〜50mm 前後です。
日常のスナップや街歩き、家族のちょっとした様子を撮るなら、この辺りから選ぶと扱いやすいです
F値の目安
日中の屋外が中心であれば F2.8付近、室内や夕方〜夜も撮りたいなら明るめのF1.8〜F2.8 のレンズがあると安心
▪️軽さ・コンパクトさ(常に持ち歩けるか)
▪️AFの速さ(シャッターチャンスに強いか)
花・ポートレート

焦点距離の目安
人物を自然なバランスで写しやすいのは 50mm〜85mm 辺りです。
花撮影などで背景を大きくボカして主題を際立たせたいなら、135mm前後の中望遠も人気があります。
F値の目安
背景をしっかりぼかしたいなら F1.4〜F1.8 が理想的です。
そこまでボケにこだわらない場合は、F2.8〜4あたりでも十分雰囲気を出せます。
▪️逆光時の描写(フレアが出すぎないか)
▪️画質(人肌を繊細に写せる)
▪️AFの速さ
旅行用の万能レンズが欲しい

焦点距離の目安
旅行では、風景・建物・食事・ときどきポートレート…と、いろいろ撮りたくなります。24〜105mm をカバーするズームレンズや24-240mmなどの高倍率ズームがおすすめ。
F値の目安
日中メインの撮影であればF4ズームでも十分。夜景や室内もよく撮る → F2.8通しズームがあると心強い(F4でも大丈夫です)
▪️重さ(長時間持ち歩けるか)
▪️手ブレ補正の有無
動物・野鳥を撮りたい

焦点距離の目安
近づけない被写体を撮ることが多いため、200〜600mm の超望遠レンズが活躍します。
動物園なら200〜300mm程度でも楽しめますが、野鳥撮影なら最低でも400mmは必要です。
F値の目安
本当は F2.8〜F4 が理想ですが、超望遠になるほどレンズが大きく高価になります。
まずは F5.6 前後の比較的軽い望遠ズームから始める人も多いです。
▪️AF性能(動きへの追従の速さ・正確さ)
▪️手ブレ補正(望遠はブレやすいため重要)
▪️重さと取り回し(長時間構えられるか)
テーブルフォト・カフェ撮影を楽しみたい

焦点距離の目安
料理やドリンク、スイーツなどを自然な見え方で撮るなら、35〜50mm 辺りが扱いやすいです。広角すぎると不要なものも写り、望遠すぎると狭いカフェで撮りづらくなります。
F値の目安
背景をふんわりボカしたい場合は F1.4〜F1.8の単焦点が人気です。
全体をスッキリ見せたい場合は F2.8〜F4でも十分です。
▪️最短撮影距離(長すぎると座って撮りづらい)
▪️レンズの大きさ(テーブル上で目立ちすぎないか)
▪️逆光耐性(窓際の席など)
夜景を撮りたい

焦点距離の目安
広い街並みや港、イルミネーションを写したいなら、16〜35mm の広角〜標準ズームが使いやすいです。
街スナップとして夜の雰囲気を切り取りたい場合は、35〜50mmの単焦点もおすすめ。
F値の目安
夜間は光量が少ないため、手持ち撮影の際は手ブレしやすくなります。F1.8〜F2.8 の明るいレンズがあるとブレを抑えやすくなります。三脚を使うなら開放F値はなんでもOK。
▪️手ブレ補正の有無(手持ち夜景で重要)
▪️星も撮りたい場合は、広角(20mm以下)でF2.8以下が理想
まとめ
自分に合ったレンズは、性能の高さよりも撮りたい写真や使うシーンに合っているかどうかで見つかります。
✅自分のカメラのマウントに合ったレンズを選ぶ
✅撮りたいものに合わせて焦点距離を選ぶ
✅ボケや明るさが必要かどうかでF値を選ぶ
✅用途・シーンごとの目安を見て選ぶ
選び方のポイントがわかったとはいえ、レンズは種類が多く、価格差も大きいため、初心者ほど「結局どれがいいの…?」と迷ってしまいがちです。
これまで多くの機材を使ってきた経験から、初心者の方が最初の一本として選びやすいコスパ抜群のレンズをまとめました。
今回の内容を読んだうえでチェックすると、よりスムーズに候補を絞れると思うのでぜひチェックしてみてください。



