夕焼けや朝焼けを撮ったとき、「空が白飛びしてしまった…」「地面が真っ暗で何も写っていない…」と悩んだことはありませんか?
カメラの露出は一度に全体を均等に合わせるのが難しく、とくに明暗差の大きいシーンではその悩みが顕著に出ます。
そんなときに役立つのが GNDフィルター(ハーフNDフィルター) です。
🔸GNDフィルターとは何か、その仕組みと種類
🔸風景撮影でよくある「空が明るすぎ/地面が暗すぎ」問題の解決法
🔸実際の使い方と、フィルター選びのポイント
これを理解すれば、夕景・朝景の撮影や絶景スポットでの写真がグッとランクアップしますよ!
GNDフィルターとは?
GNDフィルターとは Gradual Neutral Density Filter(グラデーションNDフィルター) の略称です。ハーフNDフィルターと呼ぶこともあります。
NDフィルターが「全体を均一に減光する」のに対し、GNDは 一部だけ光を抑える 特徴があります。

上半分が暗く、下半分が透明な構造になっているため、空だけを暗くして地上の明るさを保つことが可能です。
その結果、空と地面の明暗差が縮まり、肉眼で見たときに近い自然なバランスで撮影できます。
どんな場面で役立つ?
GNDフィルターが最も力を発揮するのは、明暗差が大きいシーンです。
▪️夕焼けや朝焼け
空は明るく、地面や建物は暗く沈みやすい典型的な場面。GNDを使えば空の色を残しつつ、地上のディテールも表現できます。
▪️山や海など水平線や稜線のある風景
広い空とのコントラストで上部が白飛びしやすいですが、フィルターで光量を抑えることで肉眼に近い描写が可能です。


このように空の明るさを抑え、露出を均一にしてくれます。その結果、空の色が綺麗に残ります。
選び方のポイント
使っているレンズや減光具合、用途に応じて多岐にわたるため、下記のポイントを参考に選んでみてください!
①ホルダーサイズ
角型GNDフィルターは直接レンズにつけることができません。そのため、ホルダーをレンズに取り付け、そこにGNDフィルターを固定します。
▪️100mmホルダー:通常はこちらを選択
▪️150mmホルダー:12-24mmなど超広角レンズはこちら

②フィルターサイズ
ホルダーのサイズによって選ぶフィルターのサイズが変わります。
▪️100mmホルダー:100mmx150mmまでの角型フィルター
▪️150mmホルダー:150mmx150mmの角型フィルター
③濃さ
通常のNDフィルター同様、減光量によって複数あります。
▪️濃さ:GND4(2段減光)、GND8(3段減光)、GND16(4段減光)
また、それぞれGND0.6 / GND0.9 / GND1.2とも呼ばれています。
④タイプ
▪️ソフトタイプ:
ND域から透明域へのグラデーションが緩やか。山岳風景や、岬などのシチュエーションで活躍します
▪️ハードタイプ:
ND域と透明域のグラデーションが短く境目がはっきりしてます。
水平線や地平線など境界がわかりやすいシーンで活躍。
▪️ミディアムタイプ:
ソフトGNDとハードGNDの中間程度のグラデーション。
▪️リバースタイプ(R-GND):
フィルターの中央付近が一番暗く、上に向かって徐々に薄くなっています。水平線に沈む夕日などを撮影するのに最適。

初心者はまず ソフトタイプND8 (S-GND0.9)を1枚持っておくと、幅広いシーンで使いやすいです!
他にもバランサーGNDというものもあります。
実際の使い方
- フィルターを装着する
ホルダーをレンズに取り付け、その上にフィルターを固定する。 - 境界を合わせる
空と地面の境目に、フィルターのグラデーションを重ねるように調整します。 - 微調整しながら撮影
光量が足りなければシャッタースピードやISOを調整。三脚を使うと安定します。
完成系はこんな感じ!一番明るいところとGNDの一番濃い部分が合うように、上下に調整しましょう。

GNDを活用した作例
GNDを活用すれば、こんな感じで撮れます!





まとめ
✅GNDフィルターは空と地上の明暗差をコントロールできる便利アイテム
✅夕焼け、朝焼け、山や海など風景写真で特に効果的
✅ハード/ソフト/リバースの種類があり、シーンに合わせて選ぶ
✅1枚持っておくと作品の完成度がグッと上がる
GNDフィルターを取り入れれば、「ただ撮った写真」から「作品」と呼べる一枚に進化します。
次の撮影では、ぜひ試してみてください!