写真・撮影テクニック

藤原宮跡のコスモス撮影ガイド|広角レンズで描く朝焼けと光の花畑の撮り方

早朝のコスモス畑の風景撮影方法記事

奈良県橿原市にある「藤原宮跡」は、秋になると一面にコスモスが咲き誇る人気の撮影スポットです。
この記事では、早朝の柔らかな光を活かした撮影方法と、広角レンズならではの構図づくりを紹介します。

撮影地の基本情報とアクセス

藤原宮跡は、広大な平野に位置するため朝日が美しく差し込みます。
10月中旬〜下旬が見頃で、早朝は観光客も少なく落ち着いて撮影できます。

私が撮影したのは10/16でほぼ満開状態でした。

駐車場は24時間無料のところが数箇所あります。詳しくは公式HPでチェックしてください。オススメは駐車場BかCです。

撮影時の注意点

朝焼けの光を活かすためには、日の出30分前には現地入りして場所を確認しておきましょう。広い会場なので、手前にコスモスが密集している場所を見つけて構図を決めるのがポイントです。

平日の早朝でも30人ほどのカメラマンがいました。
土日はかなり混み合うため、駐車場と撮影場所の確保は早めが安心です。

三脚は使用していませんが、夜明け前のグラデーションを狙うならあると便利。
風が弱い日を選ぶと、花のブレが少なくシャープな描写が得られます。

広角レンズで撮るコスモスの構図と焦点距離のコツ

FE 16-35mm F2.8 GM IIの外観写真

今回の撮影では、FE 16-35mm F2.8 GM IIを使用しました。
16mm側は少し広すぎて花が小さく見えるため、24〜35mm付近を中心に構図を組むのがおすすめです。

構図のポイント

▪️広がりを見せたい場合は、縦構図でコスモスを画面の2/3、空を1/3ほどにするとバランス良く見えます。

▪️横構図なら二分割構図を意識するとコスモス畑と空の安定感が出ます。

▪️なるべく花に寄ることで、コスモスの存在感が増します。

山の向こうから太陽が昇るタイミング(この日は日の出6:10、光条が出たのは約20分後)を狙うと、花びらの透けた光と光条が重なり、幻想的な一枚になります。

作例①|光条と朝日に照らされるコスモスを狙う

F14前後まで絞ると、太陽が美しい光条になります。
山の稜線から太陽が顔を出す瞬間を狙うと、逆光に照らされたコスモスが柔らかく輝き、朝の透明感を表現可能。

空と地面の明暗差が強く、手前のコスモスが暗くつぶれやすいため、GNDフィルターを使用して露出を均一化しましょう。
花の色や空のグラデーションを自然に残すことができ、RAW現像時の調整もぐっと楽になります。
GNDフィルターおすすめ|風景撮影で空の明暗差を整える必須アイテム

広角レンズ、FE 16-35mm F2.8 GM IIで撮影した早朝のコスモス畑。光条と朝日に照らされて輝くコスモス畑
▪️撮影機材:α7RV / FE 16-35mm F2.8 GM II 
▪️撮影設定:1/30秒 F14 ISO160 焦点距離30mm

作例②|花に近づいて存在感を演出する

一歩前に出て、コスモスに近づいて撮影しましょう。
手前の花びらを大きく写し込むことで、朝の光を浴びたコスモスの存在感が際立ちます。
太陽の位置をやや斜めにずらして入れると、花びらが柔らかく透け、画面全体に温かみも。

背景の山並みを低く抑え、空の抜けを少し残すことで、光の方向性と立体感を両立できます。

広角レンズ、FE 16-35mm F2.8 GM IIで撮影した早朝のコスモス畑。光条と朝日に照らされて輝くコスモス畑
▪️撮影機材:α7RV / FE 16-35mm F2.8 GM II 
▪️撮影設定:1/50秒 F14 ISO160 焦点距離35mm

作例③|花畑の奥行きを活かす

手前のコスモスにぐっと近づき、縦構図で奥に続く花畑のラインを構図に取り入れます。
広角レンズ特有のパース効果で、花畑が遠くまで広がっていく印象を強調できます。

朝日が差し込むタイミングを狙うと、花びらが透けて輝き、画面全体が立体的に。
手前に高さのある花を配置すると、遠近のリズムが生まれて視線を奥へと導く構図になります。

広角レンズ、FE 16-35mm F2.8 GM IIで撮影した早朝のコスモス畑。光条と朝日に照らされて輝くコスモス畑
▪️撮影機材:α7RV / FE 16-35mm F2.8 GM II 
▪️撮影設定:1/50秒 F14 ISO160 焦点距離35mm

広角レンズ「FE 16-35mm F2.8 GM II」の使い勝手

このレンズは逆光耐性が高く、朝日を絡めたシーンでもフレアが出にくいのが特徴です。
初代モデルと比べて、鏡筒がスリム化されたことでボディバランスが向上し、長時間の撮影でも取り回しやすくなりました。

また、絞りリングが新たに搭載されたことで、露出が刻々と変わる朝焼けや夕焼けのシーンでも素早く調整ができます。
周辺の歪みも少なく、広角でもシャープで透明感のある描写が得られました。

より詳しい実写レビューはこちらで紹介しています。
FE 16-35mm F2.8 GM II レビュー|風景撮影で感じたバランスと描写の実力

コスモス撮影の基本もチェック

構図や時間帯ごとの光の使い方など、コスモス撮影の基礎をまとめた記事も参考にしてください。
コスモスの撮り方|主題の切り取りから風景として魅せる撮影方法・時間帯のコツ

使用した機材紹介

撮影で使用した機材を紹介します。

まとめ

藤原宮跡のコスモスは、早朝の光と広角レンズの組み合わせで最も美しく描けます。
縦構図・横構図を意識して空と花のバランスを整えながら、光が差し込む一瞬を逃さないように撮影してみてください。

今後はこの撮影データを使ったLightroomレタッチ解説記事も公開予定です。

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