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【作例あり】越前大野城の雲海撮影ガイド|発生条件・時間帯・構図のポイントを解説

越前大野城の雲海を撮りに行きたい、もしくは近々行く予定の人に向けて、実際に現地で撮影してきた経験をもとに、撮影に役立つ情報をまとめました。

この記事では

✅雲海が出やすい条件や狙いやすい時間帯

✅オススメの焦点距離

✅構図の考え方

など「行く前に知っておきたかったポイント」を一つずつ紹介していきます。作例もあわせて載せているので、現地でのイメージづくりにも役立つはずです。

これから越前大野城の雲海撮影に挑戦する人が、できるだけ万全の体制で現地に向かえるように書いた記事です。ぜひ最後まで目を通して、越前大野城の雲海を撮りに行ってみてください。

雲海が発生しやすい条件

越前大野城の雲海が見られるのは、1年の中でも限られた季節と気象条件が揃ったときだけです。
「天空の城」と呼ばれるあの幻想的な姿に出会うには、次のポイントを意識してみてください。

雲海の発生条件

前日〜2〜3日以内に雨が降っている
 地面や谷筋に湿気が残っていることが大切。雨で十分に湿度が高まったあとに晴れると、放射冷却で霧が発生しやすくなります。

当日の夜から朝にかけて晴れている
 夜間に放射冷却が起こることで、湿った空気が冷やされ、霧(=雲海)になります。

朝と昼の気温差が8〜10℃前後ある
 気温差が大きいほど、朝方の冷え込みで空気中の水蒸気が凝結しやすくなります。

風が弱い(風速1m前後〜無風が理想)
風が強いと霧が流されてしまうため、穏やかな風の朝がチャンスです。

標高があまり高くないため、雲海が発生しても大野城が隠れてしまったり、霧が多すぎてホワイトアウトしたりと理想の1枚を撮るのは結構難しいようです。

越前大野城の雲海
撮影当日の12月2日は、前日に少し雨が降っていて、夜中から当日の朝にかけて晴れ。
朝の気温は約6℃、前日との気温差は約9℃で、ほぼ無風でした。条件をかなり狙って行ったので予想通りに雲海が発生してくれました。

撮影ポイントの行き方

撮影ポイントは、大野城の反対側に位置する「天空の城展望台」

駐車場から徒歩20-30分で到着します。

真っ暗闇の中、山を登る必要があるため懐中電灯と歩きやすい服装・靴は必須です。1本道なので迷うことはないと思います。

山道の入り口は、国道158号線のトンネル脇にあります。ところどころに「熊出没の注意書き」がありますが、現地の人曰く熊が通るような道になっていないので大丈夫だそう。とはいえ、念の為熊鈴は持っておきましょう。

ちなみに駐車場は、近隣のホームセンターバルスさんが無料開放してくれています。コンビニも近いので便利です。

多い時だと100-200人くらい訪れるとのこと。撮影場所は広めですが、100人だと結構ぎゅうぎゅう詰めだと思います。しっかり撮影したい人は、早めに行くことをオススメします。私が行ったときは人数が少なめで最終的に15人くらいでした。

雲海撮影の時間

雲海だけ撮るなら7時前後がオススメですが、夜明け前に行くと「暗闇の天空城」が撮れます。

5時半頃に撮影すると、街灯や近隣の灯りにより幻想的な夜景が広がっています。

越前大野城の雲海

7時過ぎ、朝日が登ってくると徐々に空に淡いグラデーションが発生してきます。

越前大野城の雲海

8時くらいになると太陽も完全に出てきて、斜光を浴びた大野城に変化します。この時間帯だと徐々に雲海も減ってくるのでタイミングを逃さないようにしましょう。

越前大野城の雲海

雲海撮影の作例とコツ

いくつか作例をお見せしつつ撮影で感じたポイントをお伝えしていきたいと思います。

おすすめのレンズ

展望台から大野城までは割と近い距離にあるため、よほど大野城をクローズアップしたい場合を除き、そこまで焦点距離は必要ありません。

オススメは24-105mmです。大野城と雲海を程よく切り取るには80mmあたりがベストでした。100mm以上だとお城だけって感じになります。

70mmだとちょっと広くてお城がやや小さく写るためクロップして80mmあたりの画角で撮ることも。

あえて20mなどの広角を使うと、お城の存在感は小さくなりますが周辺の木々を額縁にした構図も狙えます。

越前大野城の雲海
▪️撮影機材:α7RV / FE 20-70mm F4 G 
▪️撮影設定:F8 1/25秒 ISO100 焦点距離20mm
遠くにある大野城と雲海の雰囲気を額縁構図で表現しました。絵画のような一枚になったと思います。朝日が昇り切る前の淡いグラデーションと合わせました。

NDフィルターを活用する

静止した雲海も魅力的ですが、NDフィルターを使った長秒露光で雲の流れを表現すると、
一気に“天空の城”の幻想感が増します。

越前大野城の雲海
▪️撮影機材:α7RV / FE 20-70mm F4 G + H&Y Filter ND1000
▪️撮影設定:F8 30秒 ISO100 焦点距離40mm (トリミングあり)
高速シャッターだと雲を纏った姿にキレがないため、NDフィルターを装着して雲を流してみました。短すぎると動きがつきにくく長すぎるとディテールがなくなるため30秒くらいがオススメ。
越前大野城の雲海
▪️撮影機材:α1II / FE 20-70mm F4 G + H&Y Filter ND64
▪️撮影設定:F8 20秒 ISO100 焦点距離70mm
朝日が昇り切った状態の斜光を浴びた大野城。まだうっすらと雲が残っていたので長時間露光で雲に動きを出しました。雲を纏った姿もかっこいいです。

そのほか作例

越前大野城の雲海
▪️撮影機材:α7RV / FE 20-70mm F4 G 
▪️撮影設定:F8 1/25秒 ISO100 焦点距離20mm
霧が目の前にも広がりホワイトアウト寸前の状態で撮影。マジックアワーの淡い光と霞がかった景色がなんとも幻想的な写真に仕上げてくれました。
越前大野城の雲海
▪️撮影機材:α1II / FE 20-70mm F4 G
▪️撮影設定:F8 1/40秒 ISO100 焦点距離44mm

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まとめ

越前大野城は、雲海とお城を同時に収められる貴重なロケーションです。発生条件はややシビアですが、目の前に広がった瞬間の美しさは言葉にできないほど。

今回紹介した条件や撮影ポイントを参考に、ぜひ前大野城の雲海を狙いに行ってみてください。きっと忘れられない一枚になります。

▪️今回使用した機材

ABOUT ME
にゃんころ
中古カメラの販売業をしながら趣味の写真を楽しむ猫好きフォトグラファー。 SONY α1IIとα7RVで風景や野鳥、花の撮影をしています。 これまで何千点もの機材を扱ってきた経験をもとに、オススメ機材の紹介や初心者向けの撮影のコツなどを発信しています! 機材選びや撮影についての悩みがあればぜひSNSから連絡してください。