レタッチ解説

コスモスのレタッチ方法|中望遠で切り取るふんわり透明感の仕上げ方

コスモスレタッチ記事のアイキャッチ画像。コスモスの写真が背景

中望遠で切り取ったコスモスを、ふんわりと透明感のある印象に仕上げるレタッチを解説します。
撮影時の光や構図でベースの柔らかさを作り、Lightroomで繊細な明るさと色を整えていきます。
※風景として撮ったコスモスのレタッチ方法については記事後半で紹介します。

撮影時に意識しておくポイント

レタッチで透明感を出すには、撮影時の仕上がりも重要です。撮影するタイミングで以下の点を意識してみましょう。詳しくはこちらの記事でも解説しています。
コスモスの撮影方法

✅光の選び方
順光がおすすめ。快晴の強い日差しではコントラストが強くなりすぎるため、やや薄曇りの日の穏やかな光が理想的です。

ボケと距離感
主題と背景・前景の距離をしっかり取ると、花の輪郭がなめらかに溶け込みます。
F1.8〜F2.8付近で撮ると、綺麗にボケてくれます。

レンズ選び
明るい中望遠単焦点(例:135mm F1.8、90mm F2.8 Macroなど)を選ぶと、自然なボケと柔らかな階調が得られます。
詳しいレンズ比較は以下の記事で紹介しています。
花撮影におすすめのレンズ10選|中望遠・望遠でふんわり描くボケ表現

Lightroomでのレタッチ手順

今回は、ふんわりと柔らかい印象のコスモスを目指してレタッチを進めていきます。
ポイントは、明るさのコントロールホワイトバランスの調整です。
それでは、実際の写真をもとに仕上げていきましょう。

トリミングでバランス調整

使用レンズは135mmの単焦点。少し広めに撮っていたため、主題がより引き立つようにトリミングで構図を再調整します。

三分割構図や日の丸構図を意識しながら、主題と背景の位置関係を最もバランスよく見える位置に整えるのがポイントです。

なるべく前ボケが魅力的に映るように、今回は縦構図→横構図にトリミングしました。

トリミング

基本補正

ふんわりとした印象に仕上げるためには、全体をやや明るめに整えるのがポイントです。
撮影時にハイキーで撮っていても、RAW現像では思ったほど明るく見えないことがあります。

今回は露光量のみ少しプラスに調整しました。必要に応じてコントラストなども調整してみるとメリハリがつきます。

コスモスの写真。トリミングした。コスモスの写真。露光量をプラスして明るくした。

ホワイトバランス

ふんわりと柔らかい印象に仕上げるには、色温度を少しブルー寄りに調整するのがキーです。これにより全体の透明感が増し、白やピンクの花びらがより澄んだトーンになります。

さらに色被り補正でマゼンタを少しだけ加えると、ピンク系の前ボケが柔らかく溶け込み、優しい色合いに整います。

コスモスの写真。露光量をプラスして明るくした。コスモスの写真。ホワイトバランスをブルー寄りに、色被り補正でマゼンダ追加してふんわり感アップ

トーンカーブと質感

最終的な明るさをトーンカーブで調整します。基本補正の露光量を上げると全体的に明るくなりやや不自然に。トーンカーブで部分的に明るくしています。

トーンカーブの図解。どれだけ明るくしたかを示す。


コスモスの写真。ホワイトバランスをブルー寄りに、色被り補正でマゼンダ追加してふんわり感アップコスモスの写真。トーンカーブで明るさ調整


今回はしてませんが、テクスチャと明瞭度を下げるとさらにふんわり感が出ます。ただしやりすぎると不自然になるので注意。

さらに詳しいレタッチはこちら

Lightroomで実際に使用している数値設定や、
風景として撮影したコスモスのレタッチについてはnoteで詳細解説しています。プリセットも同時に公開しています。

note|Lightroomで仕上げるコスモスレタッチ完全ガイド(後日投稿予定)

まとめ

コスモスのレタッチでは、撮影時の光・構図・トーンが仕上がりの印象を左右します。
Lightroomの基本補正だけでもふんわりと柔らかな印象に整えられますが、
色や階調の微調整を行うことで、より透明感のある仕上がりが得られます。

自然光の柔らかさを活かして、自分だけの“秋色コスモス”を作ってみてください。

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