カメラを始めたばかりだと、「F値」や「露出補正」という言葉を聞いて「何それ?」と思った人多いはず。
この記事では、露出のしくみやF値・露出補正などの基本と役割を、初心者向けにやさしく解説します。
これらを理解すれば、写真のクオリティがぐっと上がり、カメラを使うのがもっと楽しくなります。
露出とは何?
露出=写真の明るさ
写真が明るすぎると「白飛び」、暗すぎると「黒つぶれ」になってしまうため、ちょうどいい明るさ(適正露出)にする必要があります。
白飛び:写真の一部が真っ白
黒潰れ:写真の一部が真っ黒
適正露出:全体に自然な明るさの状態
適正露出より明るいことをハイキー、暗いとアンダー
ということもあります!
露出を決める3つの要素

露出=写真の明るさは、次の3つの要素で決まります。
①シャッタースピード
②絞り(F値)
③ISO感度
それぞれの役割を理解すると、自分のイメージ通りの写真が撮れるようになります!
シャッタースピード
シャッターが開いている秒数のことで、どれだけ長く光をセンサーに当てるかを決めます。
遅い(1秒、1/5秒):明るくなる(ただし手ブレしやすい)
速い(1/800秒、1/2000秒):暗くなる(ブレにくい)

また、シャッタースピードは写真のブレにも影響するので覚えておきましょう!
手ブレしない目安は「1/焦点距離」秒。50mmレンズなら1/50秒以上で撮ると良いです。
絞り(F値)
レンズの型番に表記されている、F2.8とかF3.5-6.3、がF値です。
レンズの開口部=「穴」の大きさを表します。

F値が小さい(F1.4や2.8)=穴が大きく、光がたくさん入るため、明るくなる
F値が大きい(F8や11)=穴が小さく、光が少ししか入らないので暗くなる

また、F値は写真のボケやすさにも影響します。
F値が小さい(F1.4やF2.8)⇨背景がボケやすい
F値が大きい(F5.6やF8)⇨全体にピントが合いやすい
撮りたいものに合わせて適切なレンズを選ぼう!
ISO感度
カメラのセンサーの光に対する感度。
“シャッタースピード”と”絞り”で取り込んだ光を増幅させるイメージです。
感度を上げれば上げるほど、明るくなりますが、その反面ノイズ(画像の劣化)が出てしまいます。

ISO100-400程度にしておいて、シャッタースピードと
絞りで明るさを調整するのが基本です!
3要素のまとめ
露出3要素をまとめるとこんな感じです。

手ブレ防止のため、1/焦点距離を意識
ボケ量はF値で調整
ノイズ低減のため、ISOは100-400を目安に
3要素の関係性を理解しよう!(応用編)
これまでに、写真の明るさ(露出)は「シャッタースピード・F値・ISO」の3つで決まると説明しました。
実際の撮影ではこんなこと、ありませんか?
・F値を大きくすると、シャッタースピードが遅くなって写真がブレてしまう
・シャッタースピードを1/500秒にしたいけど、ISOが上がりすぎてノイズだらけになる
これは、露出の3要素が互いにバランスを取り合っているからです。
1つを変えると、残りの2つで補う必要があるのです。
ボケを優先してF値を小さくする → 明るくなる → シャッタースピードやISOで暗く調整
ブレ防止でシャッタースピードを速くする → 暗くなる → ISOやF値で明るさを補う
ノイズを減らすためにISOを下げる → 暗くなる → F値やシャッタースピードで明るく調整
この原理を理解すると、「どこを優先するか」に応じて設定を変えられるようになります。
結果として、マニュアルモードに挑戦するときも迷わず操作できるようになりますよ。
F値を1目盛分明るくしたなら、シャッタースピードかISOを1目盛分暗くすれば、写真の露出は変わりません。
適正露出を決めよう!

「露出(明るさ)は理解できたけど、適正な露出はどうやって決めるの?」
「適正な明るさ」はカメラ任せでOK!撮影モードP/A/Sを活用しましょう。
P(プログラムオート):3要素ともカメラが自動で決める
A/Av(絞り優先):絞り(F値)のみ自分で決め、あとは自動。
S/Tv(シャッター優先):シャッタースピードのみ自分で決め、あとは自動
初心者はAモードから始めるとイメージ通りの写真が撮れると思います!
慣れてきたらM(マニュアル)モードも使ってみましょう!
各撮影モードについては別記事で詳しく解説しています。こちらも合わせてチェックしてみましょう!
露出をコントロールしてイメージ通りの写真をとってみよう

P/A/Sモードで撮影する際、「もっと明るくしたいな、もっと暗くしたいな」と思うかもしれません。
そこで登場するのが露出補正です。
カメラが設定した適正露出より明るくしたいか暗くしたいかを選ぶ機能
明るくしたい場合はプラス、暗くしたいならマイナスに動かすと明るさが変わります。
プラス補正にしてふんわり写真に
露出補正をプラスにすると明るくなるので、花をふんわり撮りたい場合などで活躍します。

マイナス補正でシックな感じに
露出補正をマイナスにすると、全体的にシックな感じに。主役の存在感を高めたい場合に効果的です。

まとめ
シャッタースピード、絞り(F値)、ISOの基本を押さえれば、写真の表現力はぐっとアップ。少しずつ設定を変えながら自分の理想の一枚を見つけてください!