初心者向け

【初心者向け】絞り(F値)の基礎と写真の見え方の違いをわかりやすく解説

カメラを始めると必ず出てくる「絞り(F値)」。
「数字が小さいとボケる」「大きいと全体にピントが合う」と聞いても、「実際どう使えばいいのか分からない…と感じていませんか?

この記事では、F値の基本と写真の見え方の違い、被写界深度という考え方を初心者向けにやさしく解説します。
読み終えれば、自分のイメージ通りに写真をコントロールできるようになります。

絞り(F値)とは?カメラの「瞳の大きさ」

絞りはレンズ内部にある羽根のこと。開いたり閉じたりして、センサーに届く光の量を調整する役割があります。

にゃんころ

人間の瞳にたとえるとわかりやすいです!暗い場所では瞳孔が開き、明るい場所では小さくなるのと同じ仕組みです。

▪️F値が小さい(例:F1.8やF2.8) → レンズが大きく開き、入ってくる光の量が多い

▪️F値が大きい(例:F11やF16) → レンズが小さく絞られ、入ってくる光の量が少ない

F値の見方を知ろう

初心者が最初に迷うのが「F値っどう見たらいいの?」という点です。

にゃんころ

F1.8とだけ記載されていたり、F3.5-6.3と2つ数字が記載されていたり・・・最初は意味不明ですよね!

まずはお持ちのレンズ側面もしくは正面に記載れている数字をチェックしてみましょう!

もし「1:2.8-5.6」といった表記がある場合、これは そのレンズの開放F値(使える一番小さいF値)の範囲 を示しています。

「1:2.8-5.6」と書いてあるズームレンズ

広角側では F2.8まで開けられる(=明るくボケやすい)

望遠側では F5.6までしか開けられない(=暗めでボケにくい)

つまり、開放F値が小さいレンズほど、暗い場所に強く、背景を大きくぼかせるというメリットがあります。

ちなみに!

ズームレンズの中にはズームしても一番小さいF値(開放F値)が変化しないものも存在します。”24-70mm F2.8″や”24-105mm F4”などがあります。

にゃんころ

開放F値が小さいレンズほど、明るい・ボケやすい・暗所に強いです!

F値が変わると何が変わる?

F値には2つの役割があります。

①明るさの調整

②ピント面の調整(被写界深度)

にゃんころ

なるべくわかりやすく解説するのでついてきてくださいね!

明るさの調整

最初は単純にこう覚えておけば大丈夫です。

F値が小さい → 明るい写真が撮れる。

F値が大きい → 暗めの写真になる。

F値は露出の三要素(シャッタースピード・ISO感度)と密接に関係しており、明るさをコントロールする大事な要素です。

F値は「1段」変えるごとに、レンズを通る光の量が約2倍(または1/2)に変わります。
たとえば F2.0 → F2.8 → F4.0 と数字が大きくなると、光の量は半分ずつ減っていきます(逆は2倍明るくなる)

ピント面の調整(被写界深度)

「被写界深度」とは、ピントが合った位置を基準に、前後どこまでピントが合って見えるか を表す言葉です。

例えるなら「ピントが合った面」を中心に、手前と奥に“ピントが効いているゾーン”が広がるイメージ。このゾーンを被写界深度といいます。

このゾーンの広さは F値が大きくなるにつれて広くなっていきます。

▪️このゾーンが狭ければ「ピントが合っている部分だけくっきり、あとはボケる」=浅い被写界深度。

▪️このゾーンが広ければ「手前から奥までピントが合って見える」=深い被写界深度。

にゃんころ

被写界深度を理解すれば、どこまでボカそうかコントロールできるようになります!

シーン別・おすすめのF値設定

シーン別のF値の目安もお伝えしておきます。

ポートレートF1.4-2.8
F1.8-2.8
風景F8-11
テーブルフォトF2.8-4 (主役を強調する場合)
F5.6-8 (全体を見せたい場合)
にゃんころ

状況に合わせてF値を変更してみよう!

初心者が誤解しやすい思い込み3選

実はF値には、初心者がよく勘違いしてしまうポイントがいくつかあります。

3つの例を知っておくだけで、写真の失敗を減らせるだけでなく、レンズを選ぶときの目安にもなります。

思い込み1:ボケていれば写真が上手い

ボケは目的ではなく 主役を引き立てる手段。やりすぎると逆に不自然。

解決するには?

ポートレートなどで背景の雰囲気も見せたい場合はF4まで絞って、人物と背景のバランスを取るのもおすすめ。

思い込み2:F値は小さいほど良い

開放F1.2やF1.4はボケが強すぎてピントが合う範囲が狭すぎることもあるので注意。
ポートレートで目以外ボケてしまい何の写真かよくわからないことも。

解決するには?

被写界深度をイメージして、F2.0や2.2あたりまで絞ってみる

思い込み3:風景は絞れば絞るほど良い

絞りすぎると描写がソフトになって解像感がなくなります。(回折現象)

解決するには?

風景はF8〜F11を基本にすると、解像感とピント範囲のバランスが良い。

F値は「表現の道具」

絞りは「正しい設定」が決まっているわけではなく、どう見せたいかによって選ぶ道具です。

主役を強調したいなら小さいF値、全体をくっきり見せたいなら大きいF値。

にゃんころ

自分のイメージを表現するために、F値を自由に選べるようになることが大切です。

まとめ

まとめ

✅絞り(F値)は 光の量とピント範囲をコントロールする重要な要素

✅小さいF値 → 明るい&ボケやすい。

✅大きいF値 → 暗い&全体がくっきり。

✅被写界深度=ピントが合うゾーンの広さ。理解すれば写真表現の幅が広がる。

F値は正解を覚えるものではなく、表現のために選ぶもの。

ぜひカメラを持って、F値を変えて撮影してみてください。きっと写真の楽しさがさらに広がります!