
撮影当日は風が強く湖面は荒れていましたが、NDフィルターとGNDフィルターを組み合わせ、長秒露光で水面を静かに整えました。沈みゆく太陽のオレンジと空のブルーが溶け合い、シルエットの木が浮かび上がった瞬間です。
さて、今回は夕焼けや朝焼けのわずかな時間に現れる「マジックアワー」について。
光が柔らかく、空の色が刻々と変化するこの時間帯は、写真が最もドラマチックになる瞬間です。
この記事では、
✅ マジックアワーの時間帯と季節ごとの違い
✅ 撮影場所の探し方と下準備
✅ 初心者でも失敗しない基本設定
✅ マジックアワーだからこその注意点・TIPS
✅ フィルターを使った応用テクニック
✅ 実際の作例から学べる構図の工夫
をご紹介します!
最後まで読むと、冒頭のような絶景のマジックアワーが簡単に撮れるようになりますよ!
1. マジックアワーとは?
マジックアワーは、太陽が昇る前後30分/沈む前後30分に訪れる特別な時間帯です。
▪️ゴールデンアワー(夕陽が残る時間帯)
→ 空がオレンジや赤に染まり、被写体も柔らかく輝く
▪️ブルーアワー(日没後〜暗くなる前)
→ 空が青や紫に変わり、街の明かりやシルエットが際立つ
季節によって、太陽が昇る/沈む位置と時間帯が違います。こちらも覚えておくと良いですよ。
▪️夏 →早朝4時半頃に北東から昇り、19時頃に北西に沈む。
▪️冬 → 早朝6時頃に南東から昇り、16時半頃に南西に沈む
2. 撮影場所の探し方
筆者が行なっている撮影スポットの探し方です。ぜひ参考にしてみてください!
▪️写真投稿サイト(GANREF、Instagram、PhotoHito)で候補探し
▪️Googleマップ/Earthで太陽の沈む方向をチェック
▪️水辺・高台・都市夜景スポットは特におすすめ
方角がわかってるだけでも計画が立てやすくなり、撮影成功率がアップ!
3. 基本のカメラ設定
設定は難しくありません。初心者の方は以下のテンプレでマジックアワーに挑戦してみましょう!
▪️F値:F8固定 → 風景全体にピントが合いやすい
▪️ISO:100固定 → 暗くなっても安易に上げない
▪️シャッタースピード → ここで露出を調整。1/30秒以下は三脚必須
▪️ホワイトバランス:RAWで撮影するならオートでOK
基本は「F8・ISO100固定、シャッタースピードで調整」が王道。
RAWで撮っておけば、後からホワイトバランスは変更可能です。撮影時に雰囲気を確かめておきたい場合は、夕焼け→「曇天」、朝焼け→「電球」にすると良い場合があります!
5. 構図の考え方
マジックアワーを絶景として残すための構図を5つご紹介します!
① 前景・中景・背景の三層を意識する
特に超広角レンズで撮影するときに効果的な構図です。
前景:花や岩、樹木など → 立体感を出す要素
中景:湖面や草原など → 主役を引き立てる舞台
背景:空や山並み、太陽 → 写真全体の印象を決める要素

▪️撮影設定:F10 1/50秒 ISO100 焦点距離14mm
京都・丹後の夕焼け。前景にハマダイコンの花、中景に海、大岩を配置。背景には沈む夕焼けを。3層を意識する奥行きのある立体的な写真が撮れます。
② 太陽の位置をどう配置するか
中央に配置:シンメトリーで安定感(例:リフレクション構図)
三分割法の交点に配置:自然なバランスで動きや広がりを感じさせる
画面外に配置:直接太陽を写さず、空のグラデーションだけで雰囲気を出すのもアリ

▪️撮影設定:F7.1 71秒 ISO100 焦点距離21mm
大阪・淀川の朝焼けシーン。太陽は画角外左の方から登ってきています。あえて構図に入れず、グラデーションのみ入れています。
冒頭の湖北の写真はまさに三分割構図の交点を意識しています!
③ シルエットを活かす
▪️木、人、建物などを逆光で入れると印象的
▪️主役の形がはっきりしているほどドラマチックに映える

▪️撮影設定:F6 204秒 ISO100 焦点距離14mm
手間に枝を入れることで奥行き感を演出。山はシルエットにして夕焼けのグラデーションを主題にしています。
④ 水面のリフレクションを狙う
▪️無風の日は鏡のように空を反射
▪️風がある日はNDフィルターで水面を滑らかに整える
▪️前景と組み合わせると奥行き+幻想感が増す

▪️撮影設定:F8 1/30秒 ISO100 焦点距離16mm
松本城の朝焼け。この日は無風だったため、朝焼けが綺麗にリフレクションしています。
⑤ 視線誘導を意識する
▪️道・川など、奥へ伸びる線を構図に入れると視線が自然に太陽や空へ流れる
▪️雲の筋や山並みも効果的

▪️撮影設定:F8 30秒 ISO100 焦点距離16mm
超広角レンズ縦撮りで、手前から奥へと続く石畳〜階段を構図に入れています。これによって手前→その先の光源(太陽)に視線誘導されます。
4. マジックアワーならではの注意点&TIPS
通常の風景撮影とは異なり、マジックアワー撮影時の注意点がいくつかありますので覚えておきましょう!
▪️露出は気持ちアンダーに(-0.3〜-1EV)
→ 空の色が濃くなり白飛びを防ぐ
▪️現地には30分前に到着
→ 日没直前は光が急激に変化します。構図を落ち着いて決めるために早めに到着していきましょう。
▪️日の出・日の入り時刻を必ずチェック
→ 撮影計画の成否はここにかかっています。
▪️色の変化を追い続ける
→ 数分で劇的に変わるので、1枚で終わらず連続撮影
▪️暗くなるとシャッタースピードが落ちるので三脚必須
マジックアワーは20-30分しか撮れません。事前の準備はとても大切です!
5. 応用編:フィルターで差をつける
ここまでの内容でも魅力的なマジックアワーの撮影が可能ですが、フィルターを活用することでさらにもうワンランク上の撮影が可能です!
▪️NDフィルター
光を抑えて長秒露光を可能に。水がフラットに、雲に動きを。
▪️GNDフィルター
空と地面の明暗差を調整。夕焼けや朝焼けで空が白飛びしにくくなる。
▪️CPLフィルター
水面の反射を抑え、リフレクションが増す。
例えばこちらの写真は、NDフィルター(ND1000とND8)を使って撮影しています。

冒頭の湖北の夕焼けは、NDフィルターとGNDフィルターを駆使して撮影しています。

▪️撮影設定:F9 30秒 ISO100 焦点距離24mm
荒波の日でしたが、NDフィルターを用いて30秒で撮影→湖面がフラットになり静かな雰囲気に。
GNDフィルターを使うことで、太陽の明るさを抑えています。これがないと、太陽以外は真っ暗になるか太陽部分が真っ白になります。
本格的にマジックアワー風景に挑戦するなら、GNDフィルターは1枚持っておきましょう!
そのほか作例集







7. まとめ
マジックアワー撮影は「時間帯・場所・設定」を押さえるだけで写真が劇的に変わります。
さらにフィルターを活用すれば、表現の幅は大きく広がります!
是非この記事を参考にして、マジックアワーの絶景を写真に収めてみましょう!
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。