写真において、花の美しさを際立たせる撮影は多くの人が挑戦したいテーマです。
特に135mmの中望遠レンズは、花を幻想的かつ美しく切り撮るのにとても相性が良い
焦点距離です。
今回は、135mmをこよなく愛する筆者が、花を驚くほど美しく撮る方法とコツを余すことなくお届けします。
135mmの特徴と魅力
135mmの中望遠レンズは、花撮影において非常にバランスの取れた焦点距離です。
遠くからでも花を大きく写せる距離感、柔らかなボケ味、そして背景を引き寄せる圧縮効果によって、花の魅力を余すことなく表現できます。
- 遠くからでも寄れる
花壇の奥や立ち入り禁止エリアの花も安全に撮影可能。 - 背景処理がしやすい画角
視野が狭く、余計な背景をカットできる。 - 美しいボケ味
長い焦点距離&大きな開放F値で前後が柔らかくとろける。
玉ボケも作れる。 - 圧縮効果で背景を引き寄せる
遠くの花や樹木が主役のすぐ後ろにあるように映る。
主役と背景が一体となった迫力ある構図が作れる。 - 繊細な描写力
花びらの質感や色のグラデーションを正確に再現

開放F1.8で撮影し、前ボケと後ボケを活かして柔らかな描写を演出。

圧縮効果により、遠くの山がぐっと手前に引き寄せられたように見えます。
ボケ味と描写力
135mmレンズの大きな魅力のひとつが、美しいボケ味と繊細な描写力です。
背景や前景をとろけるようにぼかしながらも、主役の花は驚くほどシャープに写せます。
この組み合わせこそ、花撮影において被写体を際立たせるための強力な武器です。
ボケ味の魅力
- 長い焦点距離ならではの自然で柔らかいボケ
- F1.8やF2など明るいレンズで玉ボケや光のにじみも美しく表現
- 前ボケで立体感・奥行きをプラス

少し絞って撮影し、美しい玉ボケを表現しました。
描写力の魅力
- 花びらの細部やしべまで鮮明に表現
- 鮮やかな色から淡い色まで忠実に再現
- 主役はシャープ、背景は柔らかく

複数の色を背景のボケとして柔らかく配置し、主役の存在感を引き立てました。
コツ
- 開放付近で撮る(必要に応じて1段絞る)
- 逆光や斜光で花びらの透明感を出す
- 背景はシンプルに

早朝のやわらかな光に包まれた花びらの透明感を切り撮りました。
圧縮効果の説明と撮影テクニック
圧縮効果とは、望遠レンズ特有の「遠くの背景が近づいて見える」現象のことです。
135mmでは、自然で程よい圧縮感が得られ、背景の花畑や木々が被写体に寄り添うような構図になります。
これにより、背景の色や形の密度が高まり、主役がより引き立ちます。
圧縮効果を活かすテクニック5選
- 背景に色や物を配置
- 主役と背景の距離を10m以上あける
- 低い位置から背景を大きく入れる
- 開放寄りで撮影して背景を柔らかく
- 背景の色で雰囲気を演出

圧縮効果により、奥の花畑の色彩が幾重にも重なる美しいグラデーションを描き出しました。
作例&まとめ










135mmは花の魅力を最大限に引き出すレンズです。
ボケや圧縮効果を自在に操れば、見る人を惹き込む一枚が必ず撮れます。
次の季節、あなたもこのレンズで“最高の花写真”に挑戦してみませんか?
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